fc2ブログ

WINDVANE

日々思ったこと、感じたことをつれづれなるままに。
涙鼻水製造マシーン
それにしても、涙と鼻水って涸れないものだなあ。
すっかり涙鼻水製造マシーンになっている・・・

太が亡くなる日の前日の昼間のこと。
酸素マスクをして苦しそうにしている太の前で、
太の背中をさすりながら、私は、ずっと泣き続けていた。

涙がでると、鼻水もとまらない。
ごみ箱は鼻をかんだティッシュの山になっていた。

「かんでもかんでも鼻水が止まらないよお。
ねえ、太、どうやったら鼻水止まるんだろ?」
って何気なくつぶやくと、

太は酸素マスクをはずし、
ティッシュを箱からとって、
チンチンと鼻をかむマネをして、
一回かんだあとのティッシュを二つ折りにして、
また、チンチンと鼻をかむマネをして
もう一回かんだあとのティッシュをさらに二つ折りにして、
また、チンチンと鼻をかむマネをして
二回かんだあとのティッシュをさらに二つ折りにして、

「最後まで出し切る。」、と言った。

「あれ、もしかして、いま鼻のかみ方教えてくれたの?」

亡くなる前の日まで、
鼻のかみ方教えなきゃならないなんて。

鼻のかみ方だけじゃない、
車の運転もど下手。
なにやってもあぶなっかしい。
ボタンがとれたらつけてくれるのも、
ごはん作るのも太。
ぜんぶたよりっぱなしできたから、
どれだけ太が私を残していくのを心配だったんだろうっておもう。


20110730_979_72_黄色いガラス


スポンサーサイト



Designed by aykm.