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WINDVANE

日々思ったこと、感じたことをつれづれなるままに。
「ニセコローカルマガジンについて その1」     2014.04.26
4月30日、もうすぐ太の3回目の命日がやってきます。

雪がとけ、ふきのとうが、顔をだしはじめ、
桜が咲くにはまだすこし間がある今時期は、...
太が旅立つ前の、とても濃い毎日を過ごしていたことが思い出されて、
胸がきゅっと切なくなります。

そんなつい先日のこと、太の大事な友人の遠藤君のフェイスブックに、
「ニセコローカルマガジン」のTシャツの写真があがっていました。

この写真を見た瞬間に、じんと熱いものがこみあげてきて、
たまらなく懐かしい気持ちになりました。

というのは、このTシャツは、太が、雪崩事故防止活動の一環で、
「ニセコローカルマガジン」という雑誌を創刊したときに、
それにあわせて、無地のTシャツに、アイロンプリントで、
一枚一枚手作りで、作ったものだったからです。

本棚から「ニセコローカルマガジン」をひっぱりだして
久しぶりに読み直してみました。

太が、どれだけたくさんの時間とエネルギーを費やして、
この「ニセコローカルマガジン」を作ってきていたか、
当時の記憶が、一気によみがえってきました。

雪崩事故に遭われた方への想い、
ニセコのスノーボーダーやスキーヤーの大事な仲間たちに向けての想い、
太がありったけの想いを込めつくったものだったと思います。

◎以下は、NO1に書かれてあった「刊行にあたって」の太の文章です。

「刊行にあたって」

1998年1月28日、ニセコヒラフスキー場に隣接する
「通称 春の滝」に於いて、スノーシューツアー中のパーティ4名
(ガイド2名、参加者2名)が雪崩に巻き込まれ、一人が死亡、
二人が重軽傷を負うという事故が起こりました。
当時ガイドをしていた、私 石川太は業務上過失致死罪で、
禁固8ヶ月執行猶予3年の判決を受けました。
裁判的には決着がつきましたものの
ガイドの判断ミスにより失われた尊い命は取り戻すことができません。
そのことにより受けた多くの人々の深い悲しみもまだ癒されずにいます。
私たちは二度と同じような過ちを起こさないため、
あの事故から得た教訓をニセコの雪崩事故防止活動に役立てたいと思い、
この度ニセコローカルマガジンを刊行することにいたしました。
「春の滝事件」以来、ニセコ、ヒラフスキー場周辺におきまして合計4件
(ヒラフスキー場周辺3件、一人が死亡、一人が重体。アンヌプリスキー場周辺1件、無事救出)の
の雪崩事故が発生しております。
今後、昨今のバックカントリースキー、スノーボード人気により
雪崩事故が増える傾向にあります。
ニセコ町から出されている「ニセコ雪崩情報」によりますと、
ニセコで過去に起きた雪崩事故のほとんどは、同じようなコンディション
(強風、吹雪の最中かその直後)のときに、同じような地形的条件
(風下側吹き溜まり斜面、雪屁周辺)で起きているということです。
私たちはこの事実を、スキーヤーやスノーボーダーは勿論のこと、
冬のニセコに携わる一人でも多くの人々に知ってもらうことが
雪崩事故を減らす具体的な方法だと考えています。
ニセコは世界中から人々を呼び寄せる素晴らしいパウダースノーを
楽しむ環境があります。
しかし、それらを楽しむ上で決して避けることができないリスクが
付きまとうことも事実です。
そのリスクを少しでも減らす努力をすることは
パウダーを滑る人全員に課せられた義務ではないでしょうか。
「大切な人を雪崩で失わないために」
「いつまでも素晴らしいパウダーライフを送るために」
どうぞご協力をお願いいたします

1988年1月28日に起きました「春の滝雪崩事件」のさい、
多くの方に多大なるご迷惑々をお掛け致しましたことをお詫び申し上げます。

ニセコローカルマガジン 石川太


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