WINDVANE

日々思ったこと、感じたことをつれづれなるままに。
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「ニセコローカルマガジンについて その2 ~ 氷点下の鼻水」 2014.04.27
以下は、ニセコローカルマガン vol.3の巻頭に書かれてある太の文章です。

***

「氷点下の鼻水」

シーズンに入ると
僕達は毎日のように積雪調査の為に山に入る。
特にその日危険率が高いと思われる斜面に
ロープ一本を頼りに降りていく

ポカポカ陽気で
昼寝をしたくなるような天候の日もあれば
目を開けていられないような吹雪のときもある
そんな時は
指先の感覚はなくなり
頬はこわばって口が回らなくなったりする。
いつナダレるかわからないようなコンディションの中
ふと隣の相棒の顔を見ると
寒さで硬直し、ホッペは真っ赤
半口開けて
鼻水たらして
なんともいえずだらしなく
ニヤケているように見える
きっと俺も同じ顔してるんだろうなあと思いつつ
鼻水をすする
「アホだな」と我ながら思う

「地味な作業ですね」
「‥地味だね」

結晶を見るために
金属製の黒いプレートに雪をそっとのせる
ルーペで覗く間もなく
あっという間に風に吹かれて雪は消えていく
またのせる‥
消えていく‥
そんな事を繰り返していると
「せつねぇなぁ‥‥」と思う

しびれる指でメモを取るのは困難を極める
苦労して取ったデータは
ミミズがのたくったような象形文字みたいだ

隣の相棒のメモを覗くと
やはりそこにも象形文字
「‥‥‥」

「帰りますか」
「うん」
「今日はヤバそうですね」
「ヤバそうだね」
「滑ったら落ちますかね」
「どうだろうねぇ~」
「分かりませんね」
「…うん」

調査中に突然 雪崩が起こることもある
今日は落ちるだろうというときに
落ちないこともある
調査をしているといろいろ勉強になることがあるけれど
一番の収穫は
ピットチェックだけじゃ分からないんだ
ということがわかったことかな


ニセコ雪崩調査所 調査員 石川太
ニセコローカルマガジン編集人 


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